ごっち
今注目の店舗や旅行情報など、自らの体験に基づいたリアルなレビューでベトナム在住者や日本からの旅行者に厚い支持を受けるブログ「ベトナムリアルガイド」。運営するごっちさんがブログを書き始めたのは、実はベトナムに住み始めてから。今や月間PV数20万強を誇る人気ブログを育てあげた彼女に、ベトナムとの関わりを聞いた。
Japanese
今注目の店舗や旅行情報など、自らの体験に基づいたリアルなレビューでベトナム在住者や日本からの旅行者に厚い支持を受けるブログ「ベトナムリアルガイド」。運営するごっちさんがブログを書き始めたのは、実はベトナムに住み始めてから。今や月間PV数20万強を誇る人気ブログを育てあげた彼女に、ベトナムとの関わりを聞いた。
人気SNSを参考に独学でブログを開設
現地の人々との交流も楽しみのひとつ
「日本に住んでいた時は、働きながらも仕事や将来にどこか満足できず、悶々とした日々を送っていました。そんな時、実家が営む事業の一環で訪れたのがベトナムとの出会いでした」
渡越した2010年当時、日本の学生や新社会人の間では、海外留学や海外インターンシップが人気を集めていた。そんな折、妹のベトナム行きの話が持ち上がる。渡航準備を進める妹の様子を見て、「だったら私も行ってみよう」と思い立ったごっちさんは一足先にベトナムへ。新しい環境に身を置き、経験を積んで新しいことをしたいと思いながらも、なかなかできていなかった日本での生活。自分自身が変わるきっかけになればとの期待もあった。
「ところが、ホーチミン市で半年ほど生活するうちに、日本と言葉も習慣も異なる上に活気に沸くこの国での生活が楽しくなり`、もう少しベトナムにいたいと思うようになったんです。そこで、現地の日系サービス店に就職。その後、結婚を機に退職しましたが、子育てをしながらも何か仕事や活動をしたいと始めたのがブログだったんです」
もともと文章を書くことに興味があったというごっちさん。既に数年の滞在歴があったため、現地情報にも精通していた。そこで、新店舗の紹介や生活のお役立ち情報など、街のトレンドを取り入れながら様々な内容を盛り込んだ。
「とはいえ、ブログは以前勤めていた店の宣伝用に少し書いたことがある程度。写真の撮り方や文章構成など、手探りで学んでいきました。どんな内容や見せ方が興味を集めるのか、日本の女子校生のインスタグラムを参考にしたりすることもありました」
「ベトナムリアルガイド」はその名の通り、リアルな情報が売り。事前の下調べも行うが、最終的には実際に取材先を訪れ、自身の目で確かめるのが信条だ。
「SNSが流行っていることもあって、最近はお店の人もブロガーやインスタグラマーの扱いに慣れています。取材は1人で行くことが多いので、時には撮影を手伝ってくれることも。そうした交流も楽しんで制作しています」
6年を経て外国人読者も獲得
記事制作を通じ、新たな自分を発見
開設当初は日本人読者をターゲットとしていた同ブログだが、最近は韓国や台湾人、ベトナム人読者も増えてきた。「こんな情報が知りたかった」、「次はここを取材してみてほしい」など、お礼やリクエストがくることもある。だからこそ、記事の品質にはとことんこだわっている。
「大切なのは、余計な事柄や私情を書きすぎないこと。読者が欲しいのはあくまでも情報なので、実際に見て感じたことを3分以内で読めるよう、簡潔に書く。また、商品やサービスだけでなく、この立地だからこのように利用したいなど、読者が店に行くべき理由を客観的に見極め、提案型で紹介するようにしています」
ベトナムで始めたブログは、開設から早6年を数える。書きためた投稿は2000記事以上。「人生でこんなに何かひとつのことを続けたことがない」とごっちさんは笑う。
「実は以前はごはんも同じものしか食べないような人で、興味の範囲がとても狭かったんです。でも、記事を書くにあたり、たとえ興味がない対象でも調べてみると実は面白いと気づくことが多くありました。ベトナムでブログ作りに挑戦したことで、興味の範囲が広くなっただけでなく、その他いろんな物事に対しても柔軟に考えられるようになった気がします」
満足するにはまだ早い
全ての人へ、ベトナムの楽しさをもっと伝えたい
ベトナム関連媒体として「ベトナムリアルガイド」は既に高い認知度を誇っているが、ごっちさんは更なる先を目指している。目標は月間PV数30万。その道のりは未だ半ばだ。
「本当は満足したいのですが(笑)、まだまだ満足できる状況ではないと思っています。ただ、満足できないからこそ私自身も楽しい。生活でも旅行でも、ベトナムには観光・食事・ショッピングなど楽しいことがたくさんあります。そんなベトナムを読者の方にもっと気軽に知ってもらえるようなツールにしていきたいと思っています」
コロナなど近年は多くの困難があったものの、生活・観光を取り巻く状況は今後さらに伸びていくと期待する。
「ホーチミン市も地下鉄が完成すればもっと発展するでしょうし、私達が楽しめる地域もジャンルも広がるはず。また、現地のベトナム人から『食べたことがないから行ってみたい』、『これはどんな料理なの?』と、日本料理店について質問を受けることがあるので、現地で頑張る日系店などをベトナムの人々に知ってもらえるきっかけにもなればと思います。読者と店舗、ベトナム人と日本人など、ブログを通じて双方の役にたち、少しでも『ベトナムって楽しいかも』と思ってもらう、そんな後押しができれば嬉しいですね」
奈良県生まれ。日本で美容関連業に従事し、2010年に渡越。現地日系サービス店でマネージャーを務めた後、2017年にベトナム現地情報ブログ「ベトナムリアルガイド」を開設。在住者ならではの視点で綴るブログに加え、インスタグラムやフェイスブックなどSNSでも現地の最新情報を発信中。 |
画家
VTV4日本語番組編集者・アナウンサー
医学博士、京都民医連中央病院/腫瘍内科医長